FILE#011 天使の光芒殺人事件

~威光の輝きは日の光のようであり そのきらめきは御手から射し出でる
(旧約聖書ハバクク書 三章 四節)~

『悪意在る手紙』
2006年春、挙式を目前に控えた一組の幸せそうな男女のもとへ不吉な手紙が届けられた・・・

「結婚式を取りやめよ!」
「花嫁を誘拐する」
「花嫁を殺す!」

回を増す毎に過激になっていく手紙の文面は
それを悪い冗談と思わせない程の悪意と恐怖を帯びていた。

男は探偵事務所のドアをノックする事を決める。

“調子がいい。仕事も恋も順調すぎる”

探偵は心の中で一人ごち神妙な面持ちの依頼人に向けて言葉を発した

「依頼内容は了解しましたよ。この名探偵小向郷がその手紙を送った犯人を探し出してみせましょう。必ず!」

依頼人が去った事務所で探偵はパソコンの電源を入れた。全国の推理を得意とする仲間達に協力を求めるために・・・

挙式が行なわれる前日、探偵と仲間たちは物語の舞台となるホテルの前に立っていた。

“明日の挙式まで残された時間はあと僅か・・・それまでに絶対犯人を暴いてみせる”

意を新たにエントランスへ向かって歩を進めた一行だったが・・・